ユカリーヌ

ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館のユカリーヌのレビュー・感想・評価

3.3
【過去に観た映画】2013.3.1

“縛り”が好きである。
といっても、亀甲とか荒縄の方ではなく、物語の縛り。

反面、ホラーとか恋愛モノだけの話って、「何でもアリ」で、あまり夢中になれない。

だけど、友が「舞台にもなったし、おもしろそうなんだよね」と言うので観てみた。

ゴシックホラーということで、
ご丁寧に邦題の副題までついてて、全てを物語ってくれる。

ホラーの常套手段である怖がらせ方で、何回か、ひゃあひゃあと驚いてしまったけど、怖さはなかった。
むしろ せつない。

小豆島のエンジェルロードのように、
干潮、満潮によって、道が出来たり、閉ざされたりする沼地の向こうにある洋館で物語は起きる。

多大な伏線がちりばめられて、何かあるよね、
ただのホラーでは終わらせないよねという雰囲気を
いっぱいかもしだしてくれたのだけど、伏線の回収はナシ。

主役の切羽詰まった弁護士役はハリポタシリーズの
ダニエル・ラドクリフ。
ずーっと陰鬱な表情で、あるシーンでだけ笑顔を見せる。

そして、その彼の笑顔で、これは愛の物語だっだ!と想う。
そこに「救い」があったのかと。
安堵と共にせつない気持ちに包まれる。

観終わって、コレ何かの映画に似てるなあと思い、パンフを読んでみると、
「リング」シリーズの中田秀夫監督が
「Jホラーを一部参考にした」と語っていた。
どーりであの邦画に似てると思った。

でも、これ原作はイギリスの小説。
原作ではもっと詳細に、彼女の闇の部分が描かれている
のだろうなあ。

映画の中で、弁護士が
「(亡くなった)妻の気配を感じる時があるんです}と言うと、
富豪が「霊は下界には留まっていない、天に昇るから」と返す。

観終わって、霊感の強い友が「何か、映りこんでなかったかな」などと、
怖いことを言う。
そして、「あの映画館自体が何かあるよね」と。
ひー。

いや、でも、あの映画館は元ポルノの映画館。
何億という精子の亡霊が……。
ユカリーヌ

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