ユカリーヌ

異人たちのユカリーヌのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.5
山田太一の原作小説は
読んでいるし、大林宣彦で
映画化された
「異人たちとの夏」も
観ているので、イギリス版でどうリメイクするのか、興味津々だった。

根底に流れるテーマは 
同じだが、時代や国の違いである要素が盛り込まれ、改変されていた。

アダムが子どもの時のパジャマを着て、両親と写真を撮るシーンは涙があふれた。

アダムの悲しみにものすごく
寄り添ってくれるハリーの姿が 
優しさの塊であればあるほど、
その後の真実が切なくて、
悲しくて涙が止まらなかった。

どうしてこの設定を入れたんだろうと、最初は戸惑ったが、二人の
愛が深まるにつれ、
ファンタジーなのに、
生々しく感情が揺さぶられた。

邦画版は、ゴーストと明らかに見せ、日本の夏で湿度を感じさせ、ノスタルジックが漂うが
イギリス版は、虚実が曖昧で
クリスマスの冬が印象的で、
今の時代の孤独を視覚化している。


パンフには「脚本家として、
父としての山田太一」と題して、山田太一の長男と次女の対談が掲載され、家庭での顔を
知ることができる。

見終わって、映画通の方も
ご覧になっていて、
「原作、こんな話しでしたっけ、読み返してみないと」と
おっしゃってて、同感!と
思ってたら、
本屋ルヌガンガで、見かけたので、原作を読み返してみようと購入。
ユカリーヌ

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