ブルーアイズホワイトダイスケ

レ・ミゼラブルのブルーアイズホワイトダイスケのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.7
私は長らくこの映画の虜であり、今でも月1ペースで観てしまう。
だって、謎の中毒性モリモリなんですよ。
ちょいとこの映画の謎の魅力について考察してみる。

まずは独特な撮影手法について。
通常ミュージカル映画では、一度撮影した映像にアテレコのように別撮りした歌を合わせる。
しかし本作の監督トムフーパーくん、
彼は皆とはちょいと違うんや。
役者達に高性能マイクをつけて、撮影しながら録音も一緒にしちゃうっていう大胆な手法にしたのよ、彼。
この独特な手法が功を奏して、演技にリンクした臨場感のある歌声に繋がったんだね。

そう、つまり本作を語るには音楽は必須。
確実に中毒性をぶち上げる一助となっている。
全ての曲にパッションが感じられ、つい聴き入ってしまう。
なのにセリフとしても頭にすーっと入ってくる不思議な感覚。
Blu-ray特典のインタビュー動画の中で、役者たちは口を揃えて『のびのびと演技に専念できた』と語っていたが、本作を見ていてもそれが伝わる。

そもそも役者も豪華で、力のある役者揃いである。
その中で甲乙もつけ難いのだが、私が特に好きなのがなんといってもラッセルクロウ。
法を何よりも1番に重んじる、頑固でまっすぐな男・ジャベールを完璧に演じ切っていた。
過去作で彼が演じてきた役柄を考えても、キャスティングはピッタリとはまってる。
『周りと比べて歌が下手すぎる!』
との声をよく聞くが、私は歌い方にキャラクターが出ていて大好き!
細かいテンポのズレも、ジャベールの不器用なとこが出ていて良い!(贔屓しすぎですかね...笑)
でも実際には、ラッセルクロウは歌が下手なのがコンプレックスだったらしく、今作のためにめちゃ練習したんだとか。
『それでこの程度かよ!』
とは絶対に言わないでね。
だって歌を練習してるラッセルクロウを想像したら、なんだか可愛いでしょ。

つまり何が言いたいかというと、
ロマン主義フランス文学の同名小説に基づく濃密な脚本と、表現力をもった優秀な役者たちの情熱的な演技、そしてそれを最大限に引き出した監督が三位一体となっているからこそ、今までもこれからもミュージカル好きだけでなく幅広い層を魅了し続けるんや。
一生愛してるで!