B姐さん

サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへのB姐さんのレビュー・感想・評価

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こーいうのはネタバレもくそもないから言っちゃうけれど、この映画の結論(らしきもの)はデジタル化の波がきてもフィルムは無くならず、「サイド・バイ・サイド」ー共存共栄、並びながら協力していくだろう、それが望ましい、といったやけにぼやけたかんじ。
面白かったのは「デジタル・シネマ」に殆どの監督、撮影監督が好意的で、唯一否定的なのがクリストファー・ノーランだけだったこと。だからここのリストにもう一人「フィルム原理主義者」のタランティーノがいればなあ、と思ってしまった。

これらの表現者(監督やDP)たちの「エゴ」は人それぞれだし、それに文句はないが、問題はここで一切触れられない、劇場での上映方法が一番の問題と思う。
いくら70mmIMAXカメラで撮影しようが、ほとんどの小屋が2KのDCPにコンバートしちゃうんだから。アスペクト比の関係でサイズもトリミングされちゃうし。4Kデジタルも同じことで。35mmの場合はプリントの出来こそあれこんなことなかったんじゃなかろうか。

ルーカスの進めた映画のデジタル化は、当然のこととしてフィルムの映写システムまで、全部ではないが、淘汰することになる。日本のシネコンにはもうないし。4K(一部70mmIMAX)で撮った、新しい『スター・ウォーズ』が監督の意図する“まんま”のルックとサイズで見られる環境が少ない(日本にはいまんところない)のは、なんだかすごい皮肉だ。
だから徐々に、ゆるやかに、「サイド・バイ・サイド」でなくなってきている状況がここにある。
B姐さん

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