キミシマユウキ

サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

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フィルムからデジタルへと移行していく映画業界。その流れを監督や撮影担当はどう思っているのか…?

進化し続けるデジタル撮影とフィルムのこれからについて、有名な映画監督や俳優へのインタビューを交えながらメスを入れていくドキュメンタリ―作品。
司会進行は『マトリックス』等のキアヌリーヴス。

ドキュメンタリ―作品に普通の娯楽フィクション作品と同じ評価基準で点数を付けるのが難しいので放棄するが、とても見て良かった作品。

タメになったねぇぇぇぇええ(もう中学生)

フィルム撮影とデジタル撮影の仕組みの簡単な説明やメリットやデメリットを解説しつつ、決してどちらにも偏らない客観的な視点で淡々と進行していたので両サイドの良さを知れた。
そして今作は映画をかなり見るようになった今の時期に鑑賞して良かったと思う。なぜならインタビューに答える映画監督の95%くらい知ってる人!!なんなら撮影監督まで聞いたことある人!!ILMの社員まで見たことがある程度にまで自分が成長していたからだ!なので一人一人のコメントが面白い。

『シンシティ』や『スパイキッズ』などのCGを多用するのでお馴染みのロバートロドリゲス監督や『セブン』『ソーシャルネットワーク』のデヴィッドフィンチャー監督は

「フィルム撮影??完成するの待つのがめんどくさいよねww」

みたいな感じだったり、逆に『ダークナイト』『インターステラー』等で有名なフィルムにこだわりを持つクリストファーノーラン監督なんかは

「技術が進歩したからって過去の選択肢が消えたわけではない。(`・ω・´)キリッ」

とか言ってて惚れ直した。個人的にはタラちゃんにもインタビューしてほしかったな。
もちろん『スターウォーズ』を観たらわかる通り新しい映像技術が大好きで「フィルムは死んだ」なんて名言を残してるジョージルーカスもドヤ顔でインタビューを受けている。スカイウォーカーランチで著名な監督たちを集めてデジタルフィルムの今後について会議をしたらしい…。その様子めっちゃみてぇ!
『スラムドッグミリオネア』や『トレインスポッティング』のダニーボイル監督は

「昔はフィルム撮影しか受け付けなかったけど、『28日後』をデジタル撮影でやってみてからその魅力に気づいたね」

なんて柔軟な考えを見せていて素敵だった。まぁ一番素敵な笑顔が観れたのは僕の大好きな監督『タクシードライバー』『ウルフオブストリート』のマーティンスコセッシ監督。
とにかくおじいちゃんとは思えないお茶目な笑顔で僕を癒してくれました。

他にも3D映画は商業的でクソだという人や劇場に身に来ないでネット配信でみる奴はクソだとか今の時代に生きる自分には少し耳の痛い話もあったが、ようは時代の進歩についていけるかどうかなんだろうなぁ…

専門的なことは素人の自分にはわからないが、フィルム撮影の映像はやっぱり美しいし、デジタル撮影の汎用性や利用価値も捨てがたい。どちらもそれぞれ別にいいところがあるのだからこれからも共存していってくれればいいんじゃないかな?
というのがいち映画ファンの望みです。
まぁノーラン監督の頑固そうな感じから見たら、あの人は死ぬまでフィルム撮影だろうからしばらく絶えることはなさそうです(笑)

映画好きの人、劇場で観ることの意味を理解出来る人、本当に映画好きの人にはオススメの作品。そうでもない人が見てもあんまりおもしろくないと思います。