オーウェン

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のオーウェンのレビュー・感想・評価

4.0
インド人のパイ・パテルがライターに語るのは驚くべき漂流記。
遭難した船から抜け出したのは一艘のボートとパイ少年。
そして一匹のトラである。

普通に考えれば成立しない構図である。
小さなボートに人間とトラだけなのだから食い殺されるに決まっている。
だがパイは懸命に生きる。共生という道を求めて。

お互い頼るものが敵対視している存在という矛盾。
そして大海原の自然の力に1人と一匹は翻弄される。

退屈になるどころかサバイバル劇としてはスリルと同時に、目を見張る映像美が見所の一つ。
光る海の中や、夕焼けに映し出される鏡のような水面。そしてクジラの登場。
アン・リーはこういう映像を撮りたいが為に3Dを使用したとはっきり分かる。

語るべき物語をラスト10分で変換させることはある意味冒険である。
だがしかし観客もライターも信じることを一致させることは難しくない。
夢物語といわれても構わない話なのだから。
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