このレビューはネタバレを含みます
評価が分かれるであろう作品と思料。
本作品を見る前にレビューを確認しなかったのだが、少し後悔している。
ベジタリアンの少年が、難破した船の救命ボートで漂流する話なのだが、おそらくトラとは“肉食”そのもののメタファーで、カニバリズム含め、食肉に耐えられなかった少年が自我を保つために切り離したもうひとりの自分といったところか。
そして途中出てくる浮島のようなものはヒキのアングルでみると乳房が強調された女性のような形をしている。夜になると人間を溶かしてしまうという設定は、快楽に溺れた人間はだめになるということを伝えたいのだろうが、蛇足感がいなめない。
メタファーを散らす、多用するときはゴリゴリに細部を練ったほうが日本人好みであろう。
映像美は素晴らしいが、制作サイドが提示した物語そのものは解像度の低いものであると感じた。