猫吸い

ジャッジ・ドレッドの猫吸いのネタバレレビュー・内容・結末

ジャッジ・ドレッド(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

三度目の鑑賞ゆえ思った事をつらつらと。

高層ビルと廃墟が入り混じる近未来のメガシティ、サイバーパンクな世界観が凄く好き。
犯罪率も犯罪件数も半端じゃない。

若い頃に初めて観た時はただただ骨太なアクションと、スローモーション+血しぶきやガラスの破片などの美しい色彩と映像美に心がときめいただけだった。
今見返すと昔では気付き得なかった色んな要素を感じ取る事が出来た。

例えばジャッジドレッドとはドレッドの物語ではなく、ジャッジドレッドと言う名の法の物語だったのだなと。彼は法の執行人であり彼自身が法そのものなのだと。
彼を突き動かすものは怒りと揺るぎない正義感、はたまた自身でさえ気付いていない行き過ぎた暴力性なのかも知れない。

新人女性ジャッジのアンダーソンは試験の為にドレッドの1日任務に同行するだけのはずが、徐々に巨大な組織との抗争に巻き込まれていく。
アンダーソンはミュータント(超能力者)で、そういう設定は割とおざなりだったり要らない要素であったりする事が多いけれども、今作ではその特性がきちんと活きている。
あとアンダーソンが女性特有の女々しさがなく、ちゃんと芯のある自立した女性として描かれており、ドレッドも女性差別や女性だからと一切の気遣いが無いと言うのがまた良いところ。ドレッドはアンダーソンをきちんと新米ジャッジ(自分と同業の部下)として接しているのが好感を持てるポイント。

風俗街の娼婦から巨大な組織のボスにまで成り上がったママのカリスマ性と、恐怖と薬物による快楽での支配。強い女はカッコいい!
アクションシーンも血量多めで男臭く、わりと王道ではあるが見応え抜群。とにかく銃が近未来的でカッコいいし肉弾戦も爽快。
アンダーソンvsチンピラの脳内対決も見どころの一つ。
ただやっぱり医務室の人は正しい行いをしようとしたのに殺されてしまったのは可哀想で胸が痛むシーンだった。
汚職警官ならぬ汚職ジャッジは許せん!!

終盤のママとの対峙。自分が製造させて蔓延させたスローモーを吸わされて落ちていく時、彼女はどんな感情だったんだろうか…
高層階から落ちて行く彼女は綺麗で儚かった。粉砕したガラスの破片のキラキラとした美しさがより一層彼女の死に際を引き立てていた。

ラストにドレッドがヘルメットを取って顔を見せるシーンがあったような気がしていたけど、そんなシーン一切無かった!!!笑
最後まで徹底してジャッジドレッドのままなんですよ。彼には彼自身の人間性なんぞ必要ないのです。だってジャッジなんだもん。

ここまでくどくどと書いてしまったけど、全く頭も使わないしただただ脳死で観れるアクション映画です。そのかわり何も得られる物もありません。笑
カールアーバンはマイティ・ソーやザ・ボーイズ、スタートレックよりも私の中ではジャッジドレッドのイメージ!
渋い声で呟く『ジャッジメントタイム』に痺れます。カールアーバンカッコいいぜ!!
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