なんだそいつぶっ飛ばせ

ムーンライズ・キングダムのなんだそいつぶっ飛ばせのレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.9
お馴染みのおとぎ話のような綺麗なセットに、不思議な世界観。こだわり抜いたカット割り。ウェス・アンダーソンを満喫するに十分な作品。

1960年が舞台ともあって、ウェス監督の美的感覚を存分に発揮できたのではないか。

こねくり回した感じじゃなくて、真っ直ぐに青春を描いてるのが好感。子供vs大人という構図でもなく、子供を考える大人の衝突と大人よりも賢い子供たちって感じ。

詩的な会話が子供同士なのに不自然でなく、少し鼻につく感じも心地がいい。大人に憧れている女の子が繊細に表現されてて、ただの世界観押しつけ映画じゃないなあと思う。

責任を感じて思い悩む隊長(エドワード・ノートン)が愛おしすぎるし、不器用で愛に溢れた警官(ブルース・ウィリス)がダサかっこよくて最高。

小さな協会から婚約した2人が隊員を引き連れるかのように、歩いてくるシーンが好き。子供ながらに覚悟を持ったようなフリをして、自信満々に歩いていてかわいい。