尿道流れ者

ムーンライズ・キングダムの尿道流れ者のレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
2.5
おしゃれ酔いして吐いちゃうかと思ったよ。冒頭はまだウェスアンダーソン映画を観る覚悟が残っていて、めくるめくおしゃれに対する抵抗力があり、その世界観を楽しめた。壁に描かれたドアの絵や女の子が窓際で本を読むときの構図も面白くて綺麗だった。その後の一人しか入れないバス停ぐらいではやくも限界を感じつつ、ピンクの壁紙の廊下が出てきたところからはなすがままにただ観ているしかなかった。

妙に大人っぽい子供たちの子供じみた逃避行というストーリーはとても好きな感じで、少年がボーイスカウトの技術を駆使しながら逃げていく様子は面白い。2人の関係はとても面白く、ほのかなエロがちらつく感じも良かった。特に男の子が女の子にピアスをつけてあげるシーンはどんなラブシーンよりもエロくてドキドキするものだった。しかし、最後まで観ても何が残るわけでもなく、この監督は映画で何かを語ることには全く興味がないのかなと思ってしまう。

エドワード・ノートンが出るから期待してたのだが、つまらない役回りで少しがっかり。ノートンが出るシーンは全て滑ってたので観ているのが辛かった。他のシーンも滑ってたけど。

僕にはまだ早すぎるのか、どうも楽しめない。上滑り感がぬぐえず、芯のある何かが全く得られない。犬の死とかグロテスクな映像を突然入れる不誠実な外し方もいけすかない。ウェスアンダーソン映画を楽しむための説明会とか開いて欲しい。