愛

ムーンライズ・キングダムの愛のネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

大人の事情や理不尽さによる子供の権利の制限や不自由さをコミカルに描いているだけでない。
終わり方も当事者の子供やその家族周りの大人がみんな幸せになるという現実離れしているが、フィクション映画としては許容範囲で心温まる。
サムとスージーの逃亡キャンプ生活の様子がなんとも言えない良さがあり見所。
男らしく彼女を守ったり生き延びるために様々な事をするが、おねしょ癖を自白したり泳ぐことが苦手だったり、子供らしい一面もある。
スージーは逃亡の事の重大さの様なものを全く理解していないせいか、キャンプに何冊もの本しか持ってこなかったり服は着ているものだけだったりとしているのに対し、サムは呆れてしまうことなく接する。そもそも一緒にこうしているだけで幸せだという純粋で真っ直ぐな愛がある。
ボーイスカウトの他の男の子達が2人のために協力したり、周りの大人が彼彼女らを助けようと変化していく姿も良い。
スージーがハサミで刺したりサムが雷に打たれるシーンの描き方とか、2人のシーンの写し方(トランポリンのとことか)がいいなと思った。
2人の様に単純で一番好きな事に向かって一心不乱に向かっていけるのが子供で、その為には道徳とか善悪とか正誤とか関係なくなる。一方で、スージーのお母さんとポリスが対照的に描かれているが、大人は自分が大好きで1番やりたい事に向かって上手く真っ直ぐに素直に一生懸命になれないんだなと思った。
スージーとサムは特にキャストも良かった。特に好きなのはボーイスカウトの男の子でサムを救助しようと言った子と隊長。
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