風来坊

ダイ・ハード/ラスト・デイの風来坊のレビュー・感想・評価

3.0
前作「ダイハード4.0」の出来が良かったので、本作も非常に期待していたんですが、残念ながら期待を上回る事は無かったです。

アクションシーンは非常に派手で迫力があります。
監督が爆発シーンの撮影に定評のある「エネミーライン」や「マックスペイン」を手掛けたジョン・ムーア監督なので、非常に迫力のあるアクションシーンを魅せてくれます。

しかしながら脚本がイマイチなので、アクションシーンがウリだけのアクションだけ映画になってしまってます。
マクレーンの息子が今回出る訳ですが、息子が出る話しを今回やる事は無かったんじゃないかと個人的には思います。

前作で娘が登場してる訳でまたまた親子の話しって、前作が娘だから今回は息子だなって安直過ぎますね。
前作で反発する子に手を焼くマクレーンを観て、免疫が出来ているので本作を見ても新鮮さを感じません。

テンポは非常に良いですね。あっという間にラストを迎えます。
大どんでん返しを狙ってはいるんですが、ミスリードに成功していないのであんまり驚きません。

個人的には途中までは非常に楽しめましたが、最後の舞台であるチェルノブイリがデタラメ過ぎて引きました…。
放射能中和ガスってなんですか…。そんなのあったら世界は苦労しないでしょ(笑)

ダイハードシリーズって悪役が実はマクレーンの引き立て役だったりしますが、本作はあまり悪役に魅力を感じません…。
悪女も出てきますが、こちらも魅力を感じません…
冒頭のレザースーツ姿も似合ってないし、前作の悪役マギーQさんはは良かったなぁ。

本作にはダイハード一作目を意識したような演出が多くあります。
例えば冒頭のタクシーのシーンは一作目のリムジンの運転手を感じさせます。
だもんでラスト近くマクレーンの息子が屋上に追い詰められるシーンがあるんですが、追い詰められた所には消火栓のホースがこれ見よがしに置いてある!

これはファンなら一作目のマクレーンがホースを使って飛び降りたあのシーンを今度は息子がやるんだなとニンマリしてましたが、息子はまさかのホースをスルー(゚Д゚)
なんだこの思わせ振りは!

シリーズお馴染みの所々にブラックジョークがありますが、あまり笑えるのは無いかな…。
アクション映画としては十分に及第点で、怒濤のアクションシーンは一見の価値ありです。
しかしながら「ダイハード」としてはちょっともの足りませんね。

ブルース・ウィリスさんも引退して、ダイ・ハードはもう作られないんでしょうか?寂しい限り。
風来坊

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