横浜・黄金町を舞台とした5本の短編を撮影。ある夏の午後の男女4人の目線で語る4本を屋外の4か所で上映後、最後の5話目を映画館で上映するという企画の元に作られた映画。
2011年8月27日。
甘いワンピース姿の若い女性が野毛の川沿いで黄昏る。黄金町駅で降りた高校二年のカメラ片手の女子学生。ビルの屋上で水をやる男性。待ち合わせ場所に自転車で向かう男性。
黄金町のディープゾーン野毛の大岡川沿いを自転車で颯爽と走る染谷将太。この川の独特の濁った緑色や、匂いをも思い出す。昭和３９年（１９６４年）の東京オリンピック開催に伴い建てられた都橋商店街を背景にした長回しの横移動ショットが良い。
同日の14:50という時間からの停滞を微妙に変わる視点のニュアンスで繰り返す不思議な時間感覚。幻想、又は過去の記憶と交錯し、殆ど同じ場所にいながら出会う事はない、(ワンピースの女性が中心にいるが夢や過去の記憶？として描かれ)同じ瞬間を生きている男女の運命をファンタジックに描く。蓮沼執太のミニマルな音楽が良い。
