公開時はペ・ドゥナのあまりの可愛さとそこからは想像もつかない肢体の美しさに、関連グッズを買い込んでしまったことをここに白状しておくが(確か「ユリイカ」でペ・ドゥナ特集までしてしまってたよね)、肝心の映画の方は今観ると結構安っぽい凡庸なテーマだったんですね。人間の空虚さ、心の空っぽさなんてダッチワイフ以降に始まった目新しいことでも何でもなく、裕福な国の(心の)貧しい人たちをいくら描いても、いつまで経ってもオリエンタリズムを払拭できないカンヌくらいにしか見向きもされないのが是枝映画でしょう。ということで正にペ・ドゥナを鑑賞するためだけの映画。アラタを刺し殺して袋詰めにするシーンはいいけどね。