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空気人形のbのレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
3.7
「私は空気人形、性処理の代用品」
寂しい中年のおっさん(板尾創路)の持っていたダッチワイフ(ペドゥナ)が、次第に心を宿していくことで心を持つことのせつなさを知っていくファンタジー群像劇。

ペドゥナが心を持つことで人間の様に生活しだすのだが、ダッチワイフの筈なのに割と普通に生活出来ているのはやはり違和感がありました。そこに目をつむれば中々感動的な作品です。
孤独を抱えた現代人の空虚感や寂寞感がかなりつらい。レンタルビデオ店で会計の際、レジで目も合わせない板尾とペドゥナの姿が、現代の人間関係を端的に表してるとも言える気がしました。切ない作品。
ラスト、星野真理がペドゥナに対し「きれい」と言う。一方的な愛だけ与えられた残骸とは違い、愛し愛された残骸は美しく見えたのか。
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