おまつり

空気人形のおまつりのネタバレレビュー・内容・結末

空気人形(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ぺ・ドゥナさんが上手すぎて上手すぎて、思わずすぐに検索してしまった。この方以外では成り立たなかったのでは、と思ってしまうほど、動きとか、喋り方とか、瞬きに至るまでお人形!完全な美しさがあった。

端々に名言というか、格言というか、印象に残る言葉があって、
心を持つことは切ないとか、人形は燃えないゴミで人間は燃えるゴミってだけ、とかおじいさんの詩とか、じわーっとしみこむ感じ。
さりげない豪華キャスト陣が、心って、生きるって、愛って…を考えさせてくれた。プロって演技が上手すぎて、きちんと目立たないんだなぁ。板尾さんとか、うわ気持ち悪いおっさん…って思わせる演技力…すごい。

初めはみんな上手くいっているようで、でも本当はギリギリで踏ん張りながら生きてるって対比させている構成が、SNSとか見てると自分以外は全員幸せに見えてしまうあれと似ていて、みんなそれなりに苦悩しながら生きているんだろうな、と感じさせてくれた。

心を持って、それをARATAさんや色んな人のアシストを得ながら育てていくんだけど、言葉のあやというか、僕もおんなじ。っていうのをまんま受け取っちゃって、でも好きだから、私の息で満たしてあげる、同じようにしてあげるって空気の栓を探して殺しちゃうなんて、無垢な過ちで、なんとも言えない気持ちになった。

最後まで綺麗な心の、美しい空気人形だった。
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