Ayako

ストロベリーナイトのAyakoのネタバレレビュー・内容・結末

ストロベリーナイト(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドラマの映画化作品の中でも、映画というスケールを十二分に活用できた数少ない貴重な作品だと思いました。(ドラマの映画化作品って国内外を問わず、どうしてもドラマヒットのご褒美的なイメージが強く、豪華な海外ロケや、豪華新キャストの登場など、制作費を始めとする諸々のスケールの大きさの違いを実感するも、肝心のストーリーはドラマの方が良かったとなりがち。)

全編ほぼ雨のシーンが多く、若干陰鬱な雰囲気を醸し出し、姫川班に何か悲劇が降りかかるのではないかという予兆を感じさせる演出も印象的でした。
対照的に、最後の姫川と菊田の二人が別れる公園のシーンはカラリと晴れていて、個人的には二人を含めた班の新たな一歩を後押しする一方で、玲子と牧田との一件が発端となり、あくまでも職場の上司と部下の関係という帰着を迎えた二人の関係を物語っているような気がしました。

個人的には『ランチの女王』のなっちゃんなど、ちょっとどこか抜けてて、男性たちを小悪魔的に翻弄することはあっても、決してグイグイ引っ張っていくイメージがなかった竹内結子さんが、男社会の中で、一人のし上がっていく勝気だけどどこか繊細な女刑事という役回りが新鮮かつ、すっと玲子に溶け込んでいたのにびっくり。

ずっと抱き続けている玲子への想いや、牧田と玲子の一件を知り叶わぬ恋を悟る物悲しい表情や、終盤に柳井の潜伏先に一人乗り込もうとする玲子に対峙する時の一人の男としての決意など、菊田の感情の移ろいが鮮明に描かれていて、非常に印象的でした。西島秀俊さんって、改めて、セリフ以外のさりげない仕草や表情で語るのが上手な役者さんだなと感じました。

脇を固める助演陣も名バイププレイヤー揃いで素晴らしく(遠藤憲一さん演じる日下主任、玲子の上司役の高嶋さんなどなど)また続編を是非テレビドラマの枠でも映画でもいいのでやってほしい作品。
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