ツクヨミ

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのツクヨミのレビュー・感想・評価

3.7
風刺と皮肉が効いたブラックコメディ爆誕⁉︎
冷戦下の時代、米国空軍のリッパー将軍は独断でソ連領土内を攻撃する命令を下すがその独断は許される筈はなく…
スタンリーキューブリック監督作品。今作は冷戦という体制を皮肉りつつブラックコメディとして落とし込んだ内容にハラハラして引きつった笑いが溢れました。キューバ危機の直後にこんな作品を作ってしまうキューブリック監督はやはり狂っている(褒め言葉)という言葉しか出てこない。
そして今作はドクターストレンジラブや大統領などを演じ分けたピーターセラーズの演技も特筆せざるを得ない。特にドクターストレンジラブの演技…冷戦の話なのに元ドイツの科学者でナチス信望が抜けきっていない仕草や言動が面白く笑える。独特の喋り方もそれに拍車をかけて強烈な存在感を放っていました。
ラストは今作最大の皮肉とブラックコメディが込められた"また会いましょう"という歌詞が特徴的な曲が流れつつ、核爆発映像を映すという前代未聞のラストを迎える。やはりキューブリック監督作品のラストは前衛的すぎて素晴らしい。
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