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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのYSKのレビュー・感想・評価

3.7
どこからどう見ても異常な博士に愛情すら覚える反戦・風刺作

ついついドイツ式の敬礼をしてしまいがちな博士を始め、右を向いても左を向いてもロクな人物やまともな人物が誰一人としておらず、ほんの少しのすれ違いから核戦争が秒読みとなった緊迫した状況ですら自分と自分の財産と愛人たちのことしか心配しない要人たちによる、「会議室の中で起きた戦争」を言葉巧みに面白おかしく、そして空恐ろしく描いているコメディです

戦争を風刺した作品でここまで面白いのはチャップリンの『独裁者』以来でしょうか
核弾頭を抱え込みながら飛んでいく姿はゲラゲラ笑えますし、何度も見たくなること請け合いです
『また会いましょう』をBGMに核爆発が繰り返される様はとても悲しくとても愉快になること間違いないでしょう
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