丹叉

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかの丹叉のレビュー・感想・評価

3.9
「あれ、少佐どこ...?w」

核戦争に発展し地球が破滅するかもしれないという尋常じゃない緊迫的状況の中終盤に挿し込まれる、絶対に笑ってはいけないだろうとある人物に不幸が訪れるシーンにこれ以上無いほど大爆笑してしまった。映画鑑賞中にこれほど声を上げ腹抱えるほど笑った事は確実に初めて。人の不幸なんて笑うもんじゃ無いっしょと思ってれば思ってるほどこの瞬発力破壊力ある描写が長く引っ張られていた緊張の糸をぶち切り反動で大爆笑してしまう。それまでは刺激的なシーンが無く眠気を感じていたが、一瞬にして目が覚めた。上映時間約90分の短さなので、このシーンをどんなもんか確めるだけでも見る価値はある。


そのシーンに辿り着くまでは退屈を感じていた。鑑賞前はこの作品の内容を「世界の存続を左右するこれ以上無い危機的状況なのに、軍部が無能と変な奴ばかりでオワッタwww」の様に想像していて概ね合ってはいたのだが、ユーモア的描写が意外と地味であり、理解が難しかった。歴史的背景の理解を要したり言葉が難しかったり。もちろん映画としての面白さもあったが、それだけでなく時代・情勢的要素を加味した歴史的文化的な意義が大きく圧倒的な高評価率に貢献しているのだろうと感じた。私が未熟、もしくは日本人だからまだ本質的な良さが分かっていない。大人になったらまた見てみよう。
丹叉

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