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二郎は鮨の夢を見るのhongoのネタバレレビュー・内容・結末

二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

オバマ大統領来日時に「すし外交」の舞台として話題になった銀座のすきやばし次郎。その名店のご主人である小野二郎氏を描いたドキュメンタリー映画です。

「シンプルを極めればピュアになる」の言葉通り、70年間寿司の道だけをひたすら極めてきた職人の生き方。プライベートでもタバコを吸わなくなった事以外は、全く同じことを毎日続け、80歳を過ぎても現役で寿司を握り続ける。これぞ正に日本の職人さんというものが実にうまく描けていると思います。二郎氏の跡取りでもある二人の息子との親子関係、子弟関係もこの映画のポイントです。

また料理評論家の山本益博さんの解説が素晴らしく分かりやすい。すきやばし二郎の寿司はクラシック音楽のようだと評している。劇中音楽と共に職人の手さばきと寿司が絶妙に表現され、寿司ってこんなにも美しいものだったのか、こんなにも奥深いものだったのか、と感嘆の声をあげてしまいました。

こんなにも高度に進化した寿司文化。しかし今、マグロの乱獲によって危機に瀕していると二郎氏は警鐘しています。日本の文化、特に食文化を守ることについても考えさせられる名作だと思いました。
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