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アンチクライストのSoulFoodKitchenのレビュー・感想・評価

アンチクライスト(2009年製作の映画)
4.5
ヒューマントラスト渋谷「ラース・フォン・トリアー/レトロスペクティブ2023」で見ました😊
なんで好き好んでこんな映画を見るんやろ。
もはや、ファン・トリアー監督ファンは自ら進んでマゾヒスティックな快感を求めてるかもしれんな😭
妻(シャルロット・ゲンズブール)と夫(ウィレム・デフォー)とのセックス中に息子が窓から落ちて亡くなった。
妻は、その日を境に徐々に精神が不安的になってくる。
エデンと呼ばれる森の別荘で夫婦は療養の為に出向く。
その別荘で妻が中世の磔刑とか拷問の資料を研究していた様子から、以前からサディスティックな欲求があったかもしれない。
あるいは「ミイラ取りがミイラになった」のか・・・
それは我が子への左右逆の靴を履かすなどの虐待を思わせる行動にも現れていたみたいや。
それを指摘された夫へ逆上し、脚に石の歯車を埋め込む残虐行為に発展した。
さらには、そのサディスティックさは自らの身体へも向けられ、女性器を切りつけるという目を背けたくなる行為に及んだ。
実際に「ウヮ〜」と思わず目を背けたくなった・・・😱
果たして、夫は逃げ延びられたのか?
幻視的に累々と横たわる死体とか、この世のものと思えない、天使とも亡霊とも見える女子達から、黄泉の国に行ったのかもしれないな・・・
精神の深淵を見た者は二度と、この世界には戻ってこれないとも言える・・・
タルコフスキーに捧ぐというエンドロールからもわかるように、滴る水や霧深い森の描写は美しく神秘的で、神話の様にも見える。
人間の持つ業の深さ、底知れない残虐性がコレでもかと抉られるように見せつけられる。
「絵金」にも通じる、残酷な美がある。
ラース・フォン・トリアー恐るべしや🤩
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