おまんじゅう

アンチクライストのおまんじゅうのレビュー・感想・評価

アンチクライスト(2009年製作の映画)
5.0
この作品は、女性蔑視だと批判されているらしいです。確かにその通りだと思います。女=自然、男=理論というステレオタイプなイメージしかり、ラストの顛末にしかり、私もそう思いました。

しかし一方では、男性批判でもあると感じました。
この主人公の男の空虚さといったら…。それはひどいもんだと思います。主人公の男は苦悩しているように見えません。あんな悲惨な事件があったのにもかかわらずです。
彼にあったのは身体的痛みだけ。それも〈幸運な〉贈り物としての痛みだけでした。通過儀礼は行えど、結局彼は、どこにもいけなかったとしか感じられませんでした。

でも、そこがいい!エデンを去って幸運になんてなれないのだ。