samiam

エンド・オブ・ザ・ワールドのsamiamのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一風変わったラブストーリー。
有り得ないことではない(と思う。。。😆)地球最後の日までの3週間。。。かと思ったら1週間早まって2週間をシミュレーションしたようなストーリー。

小惑星の衝突により地球が滅ぶことが決定的になった時の人々の行動、態度。長年連れ添った夫を置き去りに浮気相手のところに向かう妻、サーフィンなどの趣味に興じる若者、飛び降り自殺をする者、乱交、ドラッグなどで乱痴気騒ぎをする者、殺し屋を雇って自らを抹殺する者、あくまでも頑なに任務を継続しようとする警官、滅亡の後の復興に向けシェルター、兵器を備える者、何事も無かったように庭の芝を刈る者、状況をまったく理解せずに仕事を続けようとする家政婦さん、海でバプテスマのヨハネの様に民衆に洗礼を授けている者とそこに並ぶ民衆、などなどが映し出される。

主人公の二人、スティーブ・カレル演じるドッジは3ヶ月前に手紙をくれた学生時代の彼女に会うために、キーラ・ナイトレイ演じるペニーは両親がいる実家に戻るために、連れ立って旅をする。

ドッジのキャラクター設定は以前観たラブ アゲインの主人公のそれに近いものがあった。この世の終わり間際でも誠実に生きようとする。
ペニーのキャラクターは脳天気というか、自由奔放というか、かなりはっちゃけた役柄。。。
彼女はシリアスな役も上手いが、はっちゃけて、とぼけた役も本当に上手い!
また彼女は過眠症という設定であり、ストーリーの中でその設定が活かされていた。

短い時間の中で最初はいがみ合っていた二人が親しみをおぼえ、また恋愛感情が芽生えていくという過程がとても丁寧に自然に描かれていた。

ドッジの元カノの家でペニーが卒業アルバムを見つけて二人の写真を眺めるシーン、洗礼を受けようと並ぶ列を目にして二人が手を繋ぎ寄り添うシーン、その後の砂浜での多くの家族との和みのシーン、ドッジの父の家で、ペニーが、ドッジと父がハーモニカを吹くのをいとおしそうに眺めるシーンが良かった。。。

最後の時に、向かい合ってベッドに横たわる二人。恐怖の中で最後の時を大切に過ごそうとする二人の感情が見事に表現されている。

私ももしこの様なシチュエーションを迎えることになったなら、こうありたいと思えるラストだった。。。
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