funa

風立ちぬのfunaのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
5.0
呪いのような傑作。人生で二番目に好きな映画。久々に観たら相当落ち込んだ。美は残酷さによって生み出される、そしてこの映画を観るとその残酷さ自体に凄まじい美しさを感じてしまうという残酷さ

美しさを追求し続ける二郎を愛した菜穂子は自分自身が美を失ってしまう前に二郎の下を去り、最後は夢の中で二郎に「生きて」と伝える。そして宮﨑駿本人は後に引退を撤回して『君たちはどう生きるか』を作り上げる。

今作と比較して『君たち〜』は明らかに「衰え」を感じる映画だったけど、やはりクリエイターというのは菜穂子のように去るのではなく最後まで作り続けてほしい。個人的にそれは老醜を晒す行為では無い。というかクリエイターの場合老醜を晒すこと自体に美しさがあると思う。
funa

funa