そぶ918

風立ちぬのそぶ918のネタバレレビュー・内容・結末

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジーを大衆向けに描いて右に出る者がいないがよく作品をみてみる決して大衆向けではない、日本が誇る大巨匠、宮崎駿の集大成にして引退作、風立ちぬ。

現代の日本でファンタジーを書くのに絶望した宮崎駿が徹底したリアリズムで自分が尊敬する零戦の設計者堀越二郎の半自伝的作品だが、堀辰雄の作品を原作にしてるので堀越二郎ではない。
むしろ宮崎駿本人に近い。自分が他の人に何と言われようと自分はただ美しいものを作りたいというのが飛行機と映画の違いだと勝手に解釈。本当の堀越二郎はタバコ吸わないのを聞いて確信。

腐ってもジブリ作品だが、やっぱり宮崎駿には最後までファンタジーを描いて欲しかったのが観終わった最初の感想。
庵野秀明の声は一周してさほど気にならないが、やっぱり素人目にも下手なのは明らか。ちょいノイズ。
あと人物造形が意外と薄くあまり感情移入できないまま終わる。普通ジブリは敵側も含めてステキなキャラがいるのだが、風立ちぬは全体的に薄いです。
それでも二人のラブシーンはよかったが、もともと宮崎駿が真正面からのラブストーリーが苦手なので、最後に映った菜穂子がバスから映った妹が見たシーンというのは淡白すぎやしないか?まー、飛行機が成功したあと風が吹いて、一番見てもらいたい人はもういない…
とジブリらしく風を使って表現したのはすごいよかった。
あと夢のシーンが唐突すぎるし曖昧すぎる。
それも含めてストーリー性など一切なく宮崎駿がやりたいものすべて詰めたとなれば納得。
あとポスターもあれを選んだのは失敗だったと思う。なぜあんな何でもないシーンしたんだろう?ジブリってポスターで見に行きたくなるのに…。
結婚したシーン、
壊れた飛行機を見つめる後ろからのカットの二郎、
紙飛行機などなど…
そこらへんに限界を感じた。
宮崎駿は、もっと飛び抜けた変態性全開の物がいい。やっぱりそれが発揮されるのはファンタジーなんだと思う。今回は良くも悪くも普遍的すぎる。
宮崎駿で難病ものは見たくなかった。



まだ、みたいな宮崎駿作品。。無理か…
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