どちらかといえば大人向けのジブリだが、大人は自分の子供に見せたくなるかも。
真っ直ぐに夢を追う人の強さや美しさを描いた。
作画に関してはさすがジブリといった感じで、それぞれの動きや形、構図がいちいち美しい。
効果音に人の声を使っているのだろうか?人間だけに留まらず、このアニメでは色んな事物に命が吹き込まれているようだ。特に地震のシーンなどでは不気味さを増長させている。
これまでのファンタジー全開の宮崎駿ではないが、引退作品としてこれ以上のものはないのではないか。生きるということはどういうことか。感じること、学ぶことは観客側の年代や状況によって違うかもしれない。
主人公は結果としては悲惨な結末を迎えるが、それは決して同情の涙ではなく、感動の涙を誘う。観た後に落ち込むのではなく、頑張って生きていこうと思える。
主題歌も素晴らしいし、劇中でリフレインされる久石譲の「旅路」も効いている。映画の隅々までこだわり抜いている。こんなモノ普通じゃつくれないだろう。やっぱりすごい人だ。