椋太

風立ちぬの椋太のレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
4.5
ジブリ作品で一番好きな作品。映画館で観た際には号泣し、自宅リビングで観た今回も感動させられた。1つには航空機が好きだという気持ちがあるが、この粋な人間たちが大好きだからだ。彼らには共感し、憧れを抱く。
劇中の二郎は本当に格好いい男だと思うし、黒川さんも大好きだ。航空機エンジニアには現実の世界にも熱い人間が多い。仕事の仕方が生き方であり熱烈峻厳を静かに感じさせる。極めて冷静で人間味のあるエンジニア。お洒落で上品で粋だ。そんな人間に俺もなりたいと常々思っているのだけれども。
彼らから考えさせられることは堪ふる限りの力を尽くして生きることについて。繰り返される ”風は吹いているか”。 風に気がつけるか。風を生み出せるか。その風に乗って大空へ舞い上がれるか。生きねばならないと心得ている彼らの覚悟が彼らのドラマを生んでいる。彼らの生きる、熱く精一杯の世界が素晴らしいと感じたと同時に自分のフィルターをどうするか次第で俺の好きな世界に変えられることを思い出した。生きねばならないその覚悟を出来ていない俺が今の世界に生ぬるさを感じ、いつまでも人と差を感じるのは当たり前の事だ。一日一日を大切に、ベストを尽くして生きる彼らには彼らを表わす成果と成果が表わすその人にとっての幸せがある。
椋太

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