さまよえる象人間

かぐや姫の物語のさまよえる象人間のレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
4.5
生きる場所と時代を間違えた人間の悲劇と「生まれ落ちることそのものの業」を描ききった高畑勲渾身の名作。かぐや姫こそジブリ映画史上最高の女性キャラであり、ジブリは彼女を生むためにだけあったと言っても過言ではあるまい。
惜しいのは怒ると人物がいちいち顔を(首絞められて鬱血したのかと思うぐらいに)紅潮させること。人間頼まれなくてもおかしいシーンでは皆笑うんだから(実際ギャグはジブリの中でも上手くいってる方)、こんな一昔前の漫画的誇張は必要ないし、逆に折角の絵の格を落とす結果になってしまってる。