生まれてからお迎えが来るまで。
人の一生を観る映画。
日本のアニメーション技術って凄いんだなあ。水墨画か鳥獣戯画をみてるようだった。筆で描かれた繊細な線。芸術。
玉のような赤子。
かぐや姫が自分の自我を抑えられない時に駆け抜ける仕草。
ストーリーは私達が知ってる竹取物語なんだけど、普遍的かつ現代的に感じた。
子供の幸せを願う親の愚かさと親のプレッシャーに押しつぶされそうになる子供。
好きな人と結ばれたい、生まれ育ったところで暮らしたい、純粋な願い。
結婚する事でしか自分の自我を確立する事ができない虚しさ。
最後の月からの迎えのシーンは静かに怖かった。
特に音楽。
華やかで厳かで楽しげなのに有無をいわせない厳しい感じ。
人生って思い通りいかない事だらけ。
それを理解出来なかった姫は月に帰るしかなかったのかな。
拒絶するだけではなく、受け入れる事が出来たならば、まだ他の人生の展開もあったような気がするんだけど。
それとも天上人だから、人間の事を知りたかっただけなのか。
とても複雑なお話しでした。
