寝るのだいじ

かぐや姫の物語の寝るのだいじのレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
3.3
『竹取物語』のジブリ解釈版。

基が平安時代のストーリーなので、現代の価値観を当てはめるのは野暮だなと感じるミスマッチだった。
平安時代の貴族なら、現代にある女性の独立とか主体性は本人達も望まず、貴族の殿方に選ばれて結婚し子を産むことが絶対的な幸せなので…
女性の自我が尊重されないシーン多すぎて完全に現代。
ジブリ解釈ではなく、現代に置き換えた設定なら納得するものだったので、違和感だらけが大変残念。

貴族の話じゃなかったら、主体性のある変わり者の田舎の女性として成立したのにな…
すてまる兄ちゃんが連れ出してくれる青春ラブも…
音楽も展開も良かったのに、なんでわざわざ竹取物語?竹取物語じゃなくて良かったがすぎる。

水彩画のような絵柄にするほど、昔話として展開させたかった感じがするのになぜこのストーリー?
地球で生きる喜びを噛みしめ、育ててくれた翁と嫗との別れを悲しむほど月に帰ることを嫌がるのは原作通りで、納得するものではあるが、そこまで原作通りなら途中までの現代チック価値観は本当になんなんだ?

かぐや姫は元々月の都で貴族だったが、何かしらの悪いことをした罰として、下界である地球で懲役されていた身、という解釈があるので、願って月人が迎えに来るのは原作とは違う気がするし、ジブリ解釈とかの域を越えているので別物として楽しむしかないかも。

他の人が田舎節音階で歌っていても、姫が同じ曲を歌う時は必ず都節音階に変わっていて、月の都の人なんだなぁと思った。

田舎にいた時に一緒に遊んだカエルが、都で世話係になっていたのがかわいかった。