このレビューはネタバレを含みます
あれ? 違う映画を再生しちゃったかな?
と思う始まり方。間違えていませんでした。笑
舞台設定から何からセリフ一つとってもオマージュもとい「あるある」が随所に散りばめられており、映画をたくさん見てきた人ほど楽しめる一作なのではたいでしょうか。
生々しく動く現場の様子を追いながら、裏で何が行われているのかを推察することになるのですが、そのギャップと底知れぬ不気味さに興奮しました。
リアリティ番組か何かかな〜という想像を、あのレバーが引かれたあたりからどんどん超えていくのね。管制官の複雑な心境を見せる細かい演技も素晴らしい。
「時代によって色々だけど、今は若さ。若さは罪なの」というシガニー・ウィーバーの語りは、ホラー映画の登場人物として選ばれることの理不尽さを語っているようで面白かったです。
理屈は全然納得できないけど理解はできる。何はともあれ死ななきゃいけないんですネ…それを乗り越えタバコをふかす愚者と処女にはちょっと胸のすく思いがしました。
彼らが選んだのは滅びの道ですが、それさえもホラー映画の今後を皮肉っているようですね。何かをぶち壊す"大きな一手"が必要だ! とでも言いたげに幕が下ります。
エンディングの選曲もバッチリ、最後まで興奮したまま楽しめました。
●日本はいつも間違えない、という会話もホラー映画というジャンルでの話なら納得です。(制作時の頃までの話ですが…)
●終盤、エレベータの無機質さと殺人小屋を逃れた二人の図は印象的でした。
以降、テンポよく繰り広げられる殺戮シーンは圧巻でしたね。
●で、何がテーマだったの?と言われたら答えられる自信はないですが、作中に漂う上品なシニカルさは癖になります。良いエンタメ映画でした!