パリの高級アパルトマンで悠々自適の老後生活を送るジョルジュとアンヌ。満ち足りた彼らの生活は、ある日突然、妻の病気で暗転します。夫は妻の願いを汲んで自宅で献身的に支えます…。
ハネケ監督の今作は冒頭からいきなりネタバレで始まります。そのシーンのいきさつに否応なく惹きつけられる…という手法。
ある日突然病気で倒れた妻と妻を介護する夫…ただ、根底にあるのは介護の実態を通した夫婦の愛の物語。
ハネケ監督は言わずもがな、日常に潜む狂気や不条理の描写が素晴らしい監督ですが、今作ではその中でも1番の不条理…"死"に向き合い、その裏テーマである"愛"のあり方をとても思いやりを持って描いています。
水で心情を表現したり、鳩の象徴的な使われ方もとても巧妙です。
ジョルジュは自分が妻の介護をしたい…しかし妻は彼女自身の尊厳の為に生きていたくない…
自分の想い(エゴ)を取るのか、妻の想い(愛)をとるのかでずっと葛藤します。
夫婦の愛の到達点…それは果たして本当に幸せなのか？そんな思いを巡らせながら…まだスタート地点にも立っていない私には、到底想像の域を越えませんが…ただ、静かに安堵の気持ちも感じ、夫婦として積み重ねていく年月は圧倒的に尊い…と思いました。
thanks to; TakayukiMonjiさ〜ん 𓂃 ʚϊɞ ⋇*･ﾟ
