原作小説はそりゃあ大好きです。でも、あれを映画にすることが出来るのは柳町光男以外にいないと信じているので、別物として見ようと思って臨みました。
「火まつり」が自然という抽象的な浮気相手に興奮しまくる北大路欣也の男祭りだったのに対して、「千年の愉楽」は男という抽象的な子供をあやし続ける寺島しのぶのショタ祭りでした。恐れ入りました。若松孝二でなければ、こんな女性は描けないのかもしれません。私がいちばん苦手な部分でもあるのですが、そのエッセンスが今まで一番強くてクラクラしました。
柳町光男監督が撮っていたらどうなったのか、すごく気になりました。恐らくこんなに母性に訴えかけるような作品にはならないと思うのですが。
