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シュガーマン 奇跡に愛された男のbssymphonyのレビュー・感想・評価

3.5
(20140430)
 マリク・ベンジェルール(1977-)はスウェーデンのドキュメンタリー映像作家、映画としては本作が初めての作品のようです。(シクスト・)ロドリゲスなる70代前半にアルバムを2枚出したアメリカのシンガーソングライターが消息不明となって以降、そのワーキングクラス代弁的な歌が南アメリカで詠み人知らずのまま人気を博し、インターネットの普及のおかげで90年代に南アフリカのマニアたちとデトロイト近郊で一労働者となっていたロドリゲス本人に繋がりが生まれ南アフリカで大規模なツアーが開催されるまでを、当事者の証言とその当時の映像を交えて描く内容。
 イリーガルな商品流通がない場合こういった奇跡的かつ偶発的な事象はなかなか起こらないわけで、その辺は7,80年代南アフリカの状況が生んだ幸運と言ってよかろうかと思います。意図的かつ作為的な事象ばかりに囲まれていると、こういうお話も単に消費財として消化されてしまうのが辛い部分ではありますね。
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