Omizu

シュガーマン 奇跡に愛された男のOmizuのレビュー・感想・評価

3.8
【第85回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞受賞】
サンダンス映画祭でプレミアされ、NBRやBAFTAなどのドキュメンタリー映画賞を受賞、その勢いのままアカデミー賞でも受賞した。

よくある歌手の伝記映画かと思っていたらとんでもない!「事実は小説より奇なり」を地で行くミラクルな人探し映画だった。

アパルトヘイト期の南アフリカで、反体制のバイブルとされたのが「ロドリゲス」なる歌手の「シュガーマン」だった。南アフリカでは100万枚を超える大ヒットをしている国民的な歌なのに、アメリカでは誰も知らない。それどころかロドリゲスの素性も現在も誰も知らない。

そこから南アフリカのジャーナリストたちが調べていくと、驚きの事実に突き当たる!

丁寧につくられた推理小説のように進んでいく前半、そして終盤はミラクルとしか言いようのない光景に包まれる。

ミステリー小説を読んでいるかのような展開で全く飽きない。意外な真実が次々と明らかになり驚くばかり。

まさしく「真の芸術家」と呼びたくなる佇まいを保つ姿は崇拝したいほど尊い。ざっくり調べると、今もそんなに表に立っているわけではないようだ。無欲の革命家なんだろうな。

音楽ドキュメンタリーではあるが、他とは一線を画す驚愕の実話を目のあたりにできるすごく面白い作品だった。さわりだけ観るつもりが、結局最後まで観てしまった。
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