海老

ジャックと天空の巨人の海老のレビュー・感想・評価

ジャックと天空の巨人(2013年製作の映画)
3.6
低評価(というより評価自体が少ない)の割には面白かったです。

冒頭、童話の読み聞かせの際のあまりに稚拙なCGアニメに不安を覚えるものの、その後の映像はなんら問題なく、物語も楽しめました。

誰しも知っている童話、ジャックと豆の木と、民話「巨人退治のジャック」とやらをベースにしているのだそうです。

童話の現代的な解釈という意味では有名作品が多数ありますが、本作もなかなか見応えのある内容でした。
ジャックと豆の木を膨らませて描き、人間の謀略も絡め、映画らしいキナ臭さも加わりました。ジャックと豆の木と一番違うところは、巨人が地上に降りてしまうことでしょう。人間の謀略が引き起こす流れは実際に観ていただきたいところ。

巨人の恐怖は五感に訴えてくるものがあり、不快感さえ覚える。不潔そう、知性が低そうというステレオタイプ振り切り型な巨人に、人間が蹂躙される絶望感も強烈。
悪く言っちゃえば子供に見せるもんではなかった。血が見えないってだけで、内容はPG12でも全然おかしくない。食いちぎられるわ叩きつけられるわ、まるで進撃の巨人。血は一滴も出ませんが死者はいっぱい出ます。

ただし進撃に比べて、こちらは立体駆動もウォールローゼもありませんので、対峙したら人間には成すすべがありません。捕まれば殺される状況での逃亡劇はかなり緊張します。

巨人と兵隊の最終決戦には少し不満がありますが、闘いにならない以上、籠城の描写に徹するのも仕方ないのかな。

童話らしく、最後はベタというより約束された結末という感もあり、納得の収束。
油断していると、細かいセリフやシーンがリンクしていたりもして侮れません。興行的にも盛大に滑っているらしいですが、そこまで悪くはなかったです。確かにアリスなんかと比べると個性は足りないですけどね。
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