デンマーク版「それでもぼくはやってない」的な話。
幼稚園で働く主人公が、女の子に好意を持たれているのを知りつつ、無視してしまう。
そして女の子は、「私を見てあの人のアソコがおっきくなってた」とついつい嘘をついてしまうという。
主演が007/カジノロワイヤルのマッツ・ミケルセン。
彼の演技力だけで魅せる2時間といっても過言ではなかった。
この映画で主演男優賞を取ってしまったというから納得。
ただ、女の子が嘘をついてしまう理由として、完全に兄が見せたポルノ雑誌が原因なのがなんとも・・・。
女の子が純粋なだけに、責めるに責められないこのやり切れなさが執拗に胸に迫る痛い映画だった。
その葛藤の中で揺れ動くマッツ・ミケルセンの演技を堪能するには素晴らしい題材だとは思うのだが。
子供の言う事を全て信じてしまい、それまで家族のように親しんでいた彼をこれでもかと追い詰めていく様子に、矮小なコミュニティならではの怖さを感じたし、子供に対して表層的でしかない大人たちへの、「あなたもこうなりますよ?」という痛烈なメッセージを感じる。
監督がトマス・ヴィンターベア。
「光のほうへ」を撮った人だけど、そちらもオススメ。