モルダー

偽りなき者のモルダーのレビュー・感想・評価

偽りなき者(2012年製作の映画)
3.9
主人公が子供を抱え上げるシーンのある映画は多く、本作のラストでもあるのですが、これだけ異様に緊迫感を感じる映画は初めてです笑
ヒステリックな園長やスーパーマーケットの件などは流石に過剰演出だけど、
少女の「モレスティック(痴漢)された」という他愛もない嘘がウィルスのように村に蔓延していき、主人公が理不尽に社会孤立していく様は、
人間って怖いなと思う・・・集団同調性バイアスの類なのでしょうか。
でも少女に誘導質問してたおじさんの方がよっぽど変態に見える笑
それとマッツミケルセンの演技が魂がこもっていて素晴らしかった。

いつ誰の身に起こるか分からない身近な冤罪という恐怖です。
「それでも僕はやってない」という日本の映画もこれに近いです。
女性にすれば男性の些細な言動で傷つき、また男性も女性の一言で、人生を狂わされ得るという重い事実は、
普段は誰も触れない、かなりグレーな題材なのですが、これもまた人間の難しさなのでしょう。
モルダー

モルダー