ゴン

地獄でなぜ悪いのゴンのレビュー・感想・評価

地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)
4.7
たぶん2回目。前に見たときもだけど、唾液が出て嗚咽するほど泣く…。
映画としてどうなのかというと、すごい危ういながらも完璧なバランスなんじゃないかと思うんすよ。何もかもが最適解というか、こんだけ自分のやりたいことやりたいだけやって、シナリオとか構成とかひとつのまとまった形で成立してる稀有な成功例に見えるんですよ。
時系列を「約10年くらい前…」でいきなりふわっとさせてくるので、ああこれはそういうリアリティラインを引いてるんだな、とすぐ分かるし、そのあとからずーっとずーっと楽しい。で、決戦のシーンでは涙が出るほど美しい、純粋なマッドネスが炸裂するのだ!そして、ラストのあのひとことで、今までぴんっと引いてきたラインが弛緩して、残るのは半端ない虚脱感…。え、完璧なのでは???
平田含めファックボンバーズの面々は完全にアッチ側の人たちなんですね。多分、涙が出るのは、そういった狂気にもほど近い熱量がただひたすら眩しくて羨ましいからなんだろうなあ(ヤクザの生き方とか、恋に狂うコージの姿にも通底するものアリ)。
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