しーかず

リンカーンのしーかずのレビュー・感想・評価

リンカーン(2012年製作の映画)
3.7
スティーブン・スピルバーグ監督にしては気難しい部類に入る作品だと思うけど、南北戦争下でリンカーン大統領やその周辺人物が奴隷制度撤廃へ奔走する姿や足跡が描かれていて、考えさせられる良い映画だった。奴隷制度や人種差別自体に倫理的な観点では良くないことだとは多くの人々が分かっていたとは思うけど、黒人に権利を与える事で自分たちの立ち位置が脅かされる恐怖から現状維持を望んでいたのも当時の現状だと思うし、その中でリンカーンの行動は世界を変えたといっても過言ではなく、歴史の大きなターニングポイントだったと思う。特にトミー・リー・ジョーンズ演じる共和党のスティーブンス議員がカッコ良すぎる。逆風の中でも自分の信念と正しさを貫く姿に胸打たれた。実際の奴隷制度の闇深い描写が描かれていなかったのは敢えてなのかは分からないけど、奴隷制度自体にピンと来ない人が観ると少し分かりづらくて議論中心で淡々としてる印象は受けるのかな〜と感じた。いつものスピルバーグ監督ではない路線だけど、気難しい内容なのにすらっと観れるのはスピルバーグ監督だからだとも思う。
しーかず

しーかず