シュンティ

ペタル ダンスのシュンティのネタバレレビュー・内容・結末

ペタル ダンス(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

女性4人の心の機微を丁寧にすくいとった、ロードムービー。

演出も最小限に抑えられているらしく、女優たちの会話は、ほとんど素なんじゃないか、と思えるぐらいに自然。
かといって、その辺の女性の会話を聞いている風かというとそうでもなく、女優の演技力と監督の演出が見事にはまった、という感じ。

ジンコ(宮崎あおい)が、固定された指の間から空を眺めるカットが好き。
「何か特別に見えるから」というセリフの通り、その光景は、どこか印象的で、心に残る。

ミキ(吹石一恵)に会って何を知りたいのか、何をしてあげられるのか、という目的で旅をした3人だけど、それぞれにとって収穫はあったように思う。「ありがとう。」ということばだけで、もう十分だよ。

ジンコからの「何を抱えているの?」という原木(忽那汐里)への問いに、思わず涙が出た。一見、今回の旅では部外者のような
立場でありながら、一番救われたのは原木だと思ったから。
彼女が風に乗せて願った祈りは、きっと叶うだろうと思わせるラストシーンもよかった。

なんでか、ずっと切なさが心を占めていて、ちょっと見るのが辛かった。邦画の、ある部分での特徴というのがすごくよく出ていて、
邦画を見る意味みたいなのを、改めて感じる作品となった。