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建築学概論のzentのネタバレレビュー・内容・結末

建築学概論(2012年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

現代と過去を交互に見せ、大学時代の初恋の淡い思い出と仕事や家族の介護という気持ちよりも優先すべきものが多くなった現在との対比が丁寧に描かれる韓国の恋愛映画。「建築学概論」のタイトル通り、建築学概論という大学の講義で知り合った二人の男女の心の機微が演出や効果的な小道具によって絶妙に描かれており切なくなること必至です。「家を建てる/建てられる」という要素がこの映画を一段階でも二段階でも良質な恋愛映画へと押し上げています。

些細なすれ違いによって気持ちが通じ合えなかった二人の関係が15年の時を経て動き出したことは、素直に「よかった」とも言えるし、相手の本当の気持ちを知ってしまったからこそ新たな想いが沸き上がってくるのは当然のこと。しかしそこで気持ちのままに走り出すのは大人になりすぎていたのかもしれません。
お互いに想い合っているからこそ、二人の選択は至極真っ当で現実に生きる我々に前を向かせてくれるようなラストだったと思います。大切な思い出はいつまでも色鮮やかに心にしまわれていることでしょう。

大学時代と現在のヒロイン役の女優が似てなさすぎたり、男主人公の性格が今と昔で違ってたりと細かい部分が気になりましたが概ね楽しめました。
そして完成したソヨンの家……色合いも綺麗ですごく素敵な家でした。この映画を語る上ではなくてはならない"小道具"です。
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