月下香

そして父になるの月下香のネタバレレビュー・内容・結末

そして父になる(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

🌙2024.03.31_24-65

「6年間はパパだったんだよ。
できそこないだったけどパパだったんだよ。」

凄く考えさせられる題材だったな。
節々から彼らの生活の違いを感じたけど、どちらの両親も自分たちなりに子供を愛している事が伝わってきて良かった。

野々宮家で凄く楽しそうに3人揃って家でキャンプしたり遊んだ後に「お父さんとお母さんのところに帰りたい」と言う琉晴。親たちももちろん辛いけど、理由も分からず育ての親と離れ離れにされる子供が1番辛いよね。

「ミッションなんか終わりだ」(ミッション=斎木家で過ごす)だったから、ラストで血の繋がりよりも一緒に過ごした時間を選んだと受け取ったんだけど、血のつながりを選んだと受け取る人も多いんだね。どちらとも取れる曖昧な終わり方をしたのも良かった。

良多も嫌味な所はあるなと思ったけど、完全に悪い人とは思えなくて。自分の父親が「一緒に凧揚げをするような父では無かった」と言っていて、そりゃこんな風にもなるよな〜と思ったり。それにやっぱり終盤の慶多が撮った自分の写真を見て震えながら静かに泣く姿を見ると良い父親なんだなと思えた。

ラストで家を飛び出した慶多を追いかける良多。ここてタイトルの「そして父になる」が効いてくる。
自分に子供ができたらまた見方が変わるかもしれないけど、私は親子は血の繋がりでは無く一緒に過ごした時間だと思うな。
月下香

月下香