くろまめ

そして父になるのくろまめのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.0
グロもホラーも平気な私でも、子供や動物が被害に合う系はやめてー!と思ってしまう。


なので、『 誰も知らない』の二の舞で被害者は子供か!?と匂わせるこの作品は正直警戒してた。
でも好奇心に勝てず観た。



なんか好きかも。って見終わってすぐ感じた。


対処的な2つの家族。
普段通りの生活をしてたら、おそらく一生関わる事は無い、全然価値観も環境も違う。
でも大切に思う、守りたい物は、根っこは同じ。



何か色々と考えさせられる様な。
まだ家族を持たない自分の視点で観るからか、いまいちフワッとした気持ちで観てた様な。
一言で表すには難しい作品だった。


最近『 凶悪』を鑑賞したばかりだったからか、今回のリリーフランキーのゆるーいおっちゃん。って雰囲気との違いがあり過ぎて、この人上手い人だなぁと感心させられた。



母親って、大きな愛情と言うか、受け止める深さが父親とは全然違う次元だなぁと思わされた。
尾野真千子と真木よう子が心を通わせるシーンは何故か切なくなった。



血の繋がりや家族の繋がりをじんわり考えさせられる様な、親孝行しようかなと、自分の親が頭に過ぎる様な作品でした。


何故かカメラのシーンより、福山雅治と話してた子供が「なんで?」って何回も聞き返してたシーンにホロっと泣けた。



流れ星の時に、子供ながらに相手が傷付くとわかっていた願いごとを言った後に、小さく「ごめんなさい」って言ったのも健気で胸が締め付けられた。



「大人になればわかる」って常套句言われたって、理解出来ない。

何となくこれ以上踏み込めないって言うのも子供ながらに分かる。

大人の決定に流されるしかやりようが無い。
そんな理不尽さが所々に垣間見えた。



鑑賞中は常に心の中で、子供が不幸にならない様にだけ祈ってしまった。


子供がいなくても夫婦になれるけど、子供がいないと親にはなれない。
でも、親になったからって、完璧な大人な訳じゃない。
足りない物をみんなで補い合って行くのが『 家族』って事でもあるのかなと思わされた。


リリーフランキーの家と、福山雅治の家との子育てが180度違うので、見てて面白かったし、つい、こっちの方が幸せだよなぁ。って、比較してしまった。



毎回待ち合わせに遅れて来ては、くだらない言い訳をするリリーフランキーが地味にツボった。
あと、リリーフランキーの家の次男が可愛過ぎて、巻き戻して観てしまいました。


衝撃の!とか、感動の!とかの大きなキャッチコピーではなく、自然に家族について考えさせてくれる、じんわり染みる作品でした。
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