ランボーでありたい

変態小説家のランボーでありたいのネタバレレビュー・内容・結末

変態小説家(2012年製作の映画)
1.7

このレビューはネタバレを含みます

WOWOWの録画で視聴

サイモン・ペッグ主演・製作総指揮のサスペンスホラー風味のコメディ
共同監督の内の一人、クリスピアン・ミルズはイギリスで有名なバンドのボーカルらしい。その辺の情報に疎いので大して興味はないが、この人の父親が「ツイステッドナーブ/密室の恐怖実験」を監督したロイ・ボールティングと知ってそっちはちょっとびっくり。

架空の殺人鬼に襲われるという妄想にとりつかれた男が、自宅であたふた。強力ボンドで手にナイフくっついちゃった状態でコインランドリーに洗濯に行く用事ができたんだけど、昔のトラウマでコインランドリーが大の苦手。何とかかんとか洗濯を完了するも、”本物の殺人鬼?”に襲われる!?

書いていてよくわからんストーリーだけどホントにこの通りそうなんだからしかたない。
前半は家の中で己が造りだした妄想に悩まされるドタバタな様子を、ほぼ一人芝居でサイモンペッグが孤軍奮闘する。
中盤終盤は、コインランドリーでのあたふたと、犯人との攻防。
メインの話は幼少期にトラウマを背負った男の克服物語。似たような境遇で育った男がもう一人いて、そいつが街を騒がせてる殺人鬼か!?『自分も一歩間違えばこうなってしまったかも・・。クワバラクワバラ。』的な。なんかそういうお話。

洒落たアニメーションのOPから、サイモン・ペッグの目のアップで映画が始まるが、この目のアップは名作「サイコ」のシャワーシーンでヒッチコックがやった目のアップのオマージュだろう。他にも「ヘルレイザー」、「ヘルレイザー2」のジュリア役で有名なクレア・ヒギンズが脇役で出ていたり(元々ふけ顔だったけどすげーババアでびっくり!!)、ユニバーサルのクラシックホラー的な演出だったり過去のホラー作品いろいろ好きなんだろうなーというのはよく伝わってきたけど、裏を返せばそれしか感じなかった。

うーん。久しぶりに自分にとって全く得るもののない映画を見てしまった。どんなに低予算で駄作な映画でも多少なりと、盛り上がるとこあるんだけど・・。まさかサイモン・ペッグのコメディ映画をこんなに冷めた目で見ることになるとは・・。
いらないシーンだらけで間を持たそうとしたのが丸わかり。脇役も話にまったく絡んでこず、いてもいなくてもいいレベル。犯人を改心させるために話す、ハリネズミの話もド直球すぎて興醒め。でもストップモーションアニメはなかなか見ごたえあり。ヨーロッパの「ザ・ファイナル・カウントダウン」を名作ロックとして聞かせる件とかは多少笑った。
なんでミュージシャンで映画撮る人の処女作ってオシャレな映画を撮りたがるんだろうか・・・。ミュージシャンの時点でもう十分オシャレなんだから、そこまで気張る必要ないと思うんだけどなぁ。コメディ要素もドタバタばっかりでサイモン・ペッグの良さは半減。サイモン・ペッグこんな映画に金だしたり、出演しなくてもいいのに。気どった雰囲気だけが突出した退屈な駄作。