鰹よろし

バーニング・ブライトの鰹よろしのレビュー・感想・評価

バーニング・ブライト(2010年製作の映画)
2.9
 母亡き後、独り自閉症の弟トムの面倒を見てきたケリーだったが、大学進学のためトムを一旦施設に預けることに。これで彼女は弟から解放され夢のキャンパスライフを満喫できるはず・・・だった・・・

 しかし義理の父が何を思ったのか自宅にサファリパークを作ることに没入、2人のためのお金を勝手に使い込んでしまい施設を追い払われてしまうのだった。

 超巨大なハリケーンの襲来に備え、家中の窓という窓に板を張り巡らせた、サファリパークの目玉になるという人喰いトラが待つ家に帰宅した2人はその夜案の定...

 閉塞的な環境に閉じ込められ逃げ道を塞がれた2人の姿は、これまでとそしてこれから一生付き合っていかねばならない姉弟の境遇を示唆しているのだろうか。そして本能に突き動かされ襲い来る虎は、時折感情を爆発させてしまう弟の姿にどこか重なる。

 この虎と人間の間で為されようとした敵対あるいは支配の関係がもたらしうる惨劇を以て、姉と弟の在り方とその希望を手を取り合う姿で魅せたのが素晴らしかった。


「マーキュリー・ライジング」(1998)...「ワナオトコ」(2009)...
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