◆あらすじ◆
ある日、全国の川で死因不明の遺体が次々と発見される。国中がパニックに陥る中、研究者によって突然変異したハリガネムシが人に寄生して死亡したこと、そして、その治療薬が製造中止していることが判明する。その治療薬の製造会社の社員のジェヒョクは妻子が寄生された人と同じ症状をしていることが分かり、治療薬を入手しようと奔走する。
◆感想◆
突然変異したハリガネムシの寄生により死の恐怖に陥る韓国社会の様子とその裏でうごめく企業の陰謀を描いた作品であり、主人公ジェヒョクの家族を救うために奔走する姿は感情移入できるものになっていました。
寄生虫のツリガネムシにより寄生された人々が食事を欲し、次に水を欲した上で死をもたらすという習性は現実的にとても恐ろしく、死んだ人からツリガネムシが出てくる描写は不気味で仕方がなかったです。また、ストーリーが進行するにつれて症状の発症者の苦しむ姿が延々と続いていき、観ていて苦しかったです。
主人公のジェヒョク(キム・ミョンミン)は製薬会社の営業社員ですが、元々は薬の研究開発員だった人物であり、その設定を上手く生かしたストーリーになっていました。営業の仕事に辟易するも家族を養うために頑張るお父さんのキャラクターは日本の会社員にも当てはまるところがあって、ジェヒョクの日常の疲労感は観ていてよく分かりました。
そして、突然変異したツリガネムシの発生の原因などの前半のストーリーに二重三重にも伏線を張っていて、後半のストーリーの伏線回収へと見事に繋がっていました。一見、無駄と思える描写もしっかり伏線になっているのは韓国の作品に共通する上手い手法だと思います。
発症者が苦しみ、その家族が右往左往する展開が続いたので、終盤にもう少し溜まった感情を解放できる時間を長くとって欲しい気がしました。
パニックホラーとしてなかなか面白かったと思います。
鑑賞日:2024年1月16日
鑑賞方法:Amazon Prime Video