◆あらすじ◆
1940年のスペインの小さな村に映画の巡回がやってきて、アナは姉のイサベルとともに映画「フランケンシュタイン」を観賞する。アナはイサベルになぜフランケンシュタインが死んだのかと問うと、イサベルはフランケンシュタインは精霊になって生きていると教えられる。その後、アナは村外れの一軒家に訪れると、足を負傷した男がいた。アナはその男に食料と父の衣服を与えるのだが...。
◆感想◆
幼い少女のアナの謎の男性との出会いと別れを描くストーリーであり、まだ幼く人の死も理解できない少女が直面する喪失感がしっかり伝わってきました。
アナは養蜂家の父・フェルナンドと母・テレサ、姉のイサベルとともに暮らしており、イサベルと仲が良いものの、イサベルにからかわれることもあり、まだまだ虚実の区別がつかない少女でした。フランケンシュタインの映画でフランケンシュタインの死についてイサベルはアナは適当に答えてますが、アナは真剣にそれを真実だと受け止めます。アナの純真無垢な様子は観ていて愛らしくて良かったです。
アナは村外れの一軒家で足を負傷した男と出会い、警戒する男に怖がることなく果物を与え、父の衣服まで与えてしまいます。アナが未知の人間と遭遇しましたが、それはその人間が彼女にとってフランケンシュタインだったのかもしれないです。
全ての映像が素朴で、派手な演出が無い分、よりアナの心情の変化が楽しめる作品になっていて、良かったと思います。ネットで検索すると本作はスペイン内戦時のスペインの状況を象徴化しているそうなのですが、その部分については私には分かりませんでした。それでもアナという主人公の心情のの変化の機微がしっかり伝わってくる本作はとても面白かった。
鑑賞日:2024年10月22日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2023年12月25日)