アキラナウェイ

魔女と呼ばれた少女のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

魔女と呼ばれた少女(2012年製作の映画)
3.5
タイトルに惹かれていたけど、
なかなか重たそうなので敬遠していた作品。
で、また来たよ。
あと◯日で配信終了…。
という事で、重い腰を上げて鑑賞開始!!

こ、こ、これはまさか現実?
にわかに信じ難い程のエゲツなさが目の前に飛び込んでくる。

未だ紛争の絶えないコンゴ民主共和国。水辺の村で暮らす12歳の少女、コモナの元に反政府軍の男達が銃を乱射しながら押し寄せてくる。銃を手渡され、目の前の両親を殺せと命じられる。命令に従う様に父が言う。コモナは泣きながらその引き金を引いた。乾いた銃声が響き渡った。

その日から、同年代の子供達と共に、コモナは反政府軍の兵士となった。

銃を肌身離さず持て。
銃はお前達のパパだ。ママだ。大切に扱え。
銃の扱い方、人を殺す術を教わる子供達。
少年少女が兵士に仕立てられていく。
泣く事は許されない。

嘘だと言ってくれー。
嘘だと言ってくれー。
頭の中でブルーハーツが流れ出す。
目の前で起こっている事は嘘だと言ってくれ。

コモナには亡霊が見えた。死して尚、彷徨える魂達。全身を白く塗りたくって、白目の亡霊達が其処彼処で突っ立っている。

反政府軍のリーダーは、コモナを魔女と呼び、彼女が勝利に導くと信じた。

マジシャンという名の少年(彼はアルビノである)が、コモナを連れ出し、反政府軍を抜けようと誘い出す。結婚してくれとも。コモナは父に教わった通り、「私と結婚したければ、白い雄鶏を探して来て」と言う。どうもコンゴでは、白い雄鶏は希少らしい。日本ではいくらでもいるのに!!

白い雄鶏を必死で探すマジシャン。
マジシャンと一緒に居る時は、コモナの顔に光が戻る。束の間の青春。刹那の恋模様を2人は楽しむ。

ほっこり出来たのはこの時ぐらい。

大人の慰み者として扱われ、妊娠するコモナ。
魔女なんてもんじゃない。
大人達は少女を女として身近に置いていたいだけだ。
同年代の娘を持つ親として反吐が出る。
悲し過ぎる。

妊娠して大きくなったお腹。裸になるシーンもあって、本当に妊娠している様に見えた。1人で出産するシーンも、本当に其処で赤ん坊を産んだ様なリアリティがあった。

コモナが12歳から14歳になるまでの3年間を描いた物語。

1人の女性が一生の中で体験する、その何倍もの辛い経験を彼女は潜り抜けて、生きた。

大人の事情に子供を巻き込むなよ。

あと、子供に手を出す大人達、レイプを繰り返すゲス共。そんな奴らのチ◯コは全部ちょん切ってしまっていいと思う。全世界的に。